【屈折調節について】
従来より遠視を、顕性遠視+潜伏性遠視=全遠視
と分類していた。そして、この潜伏性遠視は調節麻痺剤を用いて発見される遠視とされ、これに対して顕性遠視は通常の矯正視力測定で見つかる遠視をいう。また、遠視を裸眼視力により、
絶対遠視‥‥調節力よりも遠視が強く、遠見視力が不良
随意遠視‥‥遠方、近方ともに視力が良好
相対遠視‥‥遠方が視力良好であるが、近見視力は不良
と分類されることがある。
この絶対遠視、随意遠視、相対遠視の分類は他の分類方法よりも実務的であると思われる。
調節麻痺剤を用いて、潜伏性遠視がわかったとしても、メガネの度数を決める点からは意義がうすい。全遠視がわからなくても顕性遠視がわかっていれば十分である。だが、軸性遠視、屈折遠視となると全く役に立たない。
ところが、絶対遠視、随意遠視、相対遠視となると少し話は違ってくる。先ほどの定義からして、メガネの使用法が次のように変わるからである。
絶対遠視‥‥メガネは常用
随意遠視‥‥疲労がなければ、メガネは不要
相対遠視‥‥必要に応じて使用、特に近見時
つまり、この分類はメガネの使用方法と直接結びついた分類であるとも言える。
ところでこのような例はどうだろうか。
RV=0.7(1.0×S+1.00D)
LV=0.7(1.0×S+1.00D)
これを、絶対遠視としてメガネの常用を勧めたとすれば、多くの場合不満を訴える。遠くはない方が見やすいというのである。
実務と教科書の違いと言えば、それまでであるがワタシは実務に即した、また両眼視も含めた、さらなる配慮が必要であると考えている。
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